闘争の果てに残ったものは・・


今日も暑い。猛暑日が続いていますね。毎年暑くなってくると思いだすのは私が以前勤務していた運送会社での出来事です。

 

先代が病気で退いてからは、先代の奥様が会社を取り仕切っており、そこから歯車が狂い始めました。

 

リーダー的存在のドライバーAさんと奥様がとにかく仲が悪い。連日のように喧々諤々言い合いをしていました。

 

あげくに、Aさんは在籍ドライバーの7割を引き連れて社外の労働組合に加入しました。これが闘争の始まりとなり、未払い残業代請求の争いに発展。訴訟の末、会社は未払い残業代をさかのぼって支払いました。

 

これを機に、Aさん達の主張は過激になっていきます。休日の土曜には毎月のように社長(先代の娘婿)と労組との話合いが行われ、どこまで行っても平行線な交渉が繰り広げられます。

 

 

 

Aさんの主張はこうです。

「給料を上げろ。そして、歩合給が本当に自分の走った売上の〇〇%付いているかが信用ならん。ガラス張りにしろ。」

 

結局は、会社側がAさん達の要求をのむ形になったため、歩合に関してはガラス張りになり歩合率も上がりました。

 

 

 

今思いだすと、問題の本質とはかけ離れた事で争っていたと思います。お互いになんとか自分の主張を聞かせたい。会社は従業員の事をもっと考えろ。従業員は会社の事をもっと考えろ

 

会社と社員の関係は恋愛と同じ

恋愛関係が破たんしていくのも、このパターンが多いですよね。相手にいう事聞かせたい気持ちが強くなってくればくれほど、相手は変わらないからそのギャップに我慢できなくなって破たんしていく。会社と社員の関係も恋愛に似ていると思うんです。相互理解する努力が薄れていったら危険信号です。

 

結局、争いの結果残ったのは良い人材から辞めていき、給料は上げて欲しいが仕事はしたくないというドライバーが残ったという事実です。

 

 

どうしたらドライバーに仕事を自分事として捉えさせることができるのか。なぜAさんのような人が出来てしまったのか。相互理解を深め、相思相愛の関係にするにはどうすればいいのか。

 

 

そういった事の解決をせず表面的に給料を上げても、応急処置を施しているたけで、傷ついた身体からとめどなく流れ出る血は止めることができません。

 

 

 

社長も奥さんも、当時「会社の方針に合わん人はやめていけばいい。ドライバーは他にいくらでもいる」よく私にそう言っていました。会社の方針は、「会社のいう事を聞く」です。

 

ドライバー募集すればすぐ見つかる時代だったら、その考えでも会社は回りますが、昨今のドライバー不足の時代では回っていきません。一人の欠員を補充するのに苦労している運送事業者さんはたくさんいます。

 

我が社は、応急処置しかしていない。そう思った中小運送事業者様は一度、問題の本質を深く掘り下げてはいかがでしょうか。

 

 

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