「許可さえ取れればいい」の罠


「先生は許可だけ取ってくれやあいいんだわ。あとは俺たちが上手いことやるで!」

 

問合せを頂いたあと、お会いした時に、ある運送業の事業主さんから言われた言葉です。

 

 

ご依頼者様いわく、ご自身で選んだ候補地のトラック駐車場とその敷地内にある事務所が気に入ったので使用したいとのことです。

お客様の方で、この物件はある程度調査して市街化調整区域内にあることはご存じでした。

 

もし、「既存宅地」と呼ばれる場所であれば、市街化調整区域でも事務所使用できる場合があります。私は早速、調査に入りました。

 

 

・・・が、結果は「×」。

 

 

その旨、ご依頼者様に伝えた時に言われたのが冒頭の「許可だけ取ってくれやあいいんだわ」です。

 

 

もちろん、丁重にお断りしました。

 

 

 

運送業許可申請では、事業に使用する事務所・駐車場が都市計画法等の法令に抵触していない旨の宣誓書を提出します。

 

今回は、都市計画法という法律に違反してしまう場所であるため、駐車場内にある建物は使用することができません。そのことを知っていながら宣誓書を提出すれば、ウソの宣誓となります。

 

この依頼者様は、運送業許可要件に合致したアパートをカモフラージュで借りてそこを事務所として申請する。

しかし、実際は駐車場内の建物を事務所使用するという構想です。

 

 

 

場所的には、最高の駐車場なのに、そこに立っている建物(事務所)は運送業に使用する駐車場としては許可の要件を満たせない物件はよくあります。

 

 

これから運送業を始めるという事業者さんには、納得できない話かもしれません(このお客様は事業所新設でしたが)。

 

 

 

 

たくさん案件を預かると「裏の手を上手く使えば運送業許可が取れる」というお考えの方がいます。

 

はっきり言って、そういう考えでは事業継続は難しいと私は考えます。

 

 

はなから法令遵守しないで許可取得しようとする事業者さんが、トラック運送業運営上のコンプライアンスを守るようには到底思えないからです。

 

 

 

おおらかな時代はもう終わりました。既に法令遵守できていない運送事業者様は淘汰されています。これを、チャンスととらえて健全な運営をして競合他社と差別化を図る元気な運送事業者さまが増えることを願っております。

 
 

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